ねぴねぴ劇場

ファクトベース思考で経済を読み解く

私が考えた最強の景気回復/財政健全化方法

景気が良いとは?

景気が良い ≒ 緩やかなインフレ

モノの価格は需要と供給で決まります。

  • 需要が多ければ価格は上昇し、少なければ下落します。
  • 供給が多ければ、価格は下落し、少なければ上昇します。

デフレ下では、継続的に物価が下がり、相対的にお金の価値が上昇するため、個人は貯蓄しようとする。 つまり、物が売れなくなり、企業も売上減少、設備投資の抑制につながり、人件費削減を進める。

逆に緩やかなインフレは経済の好循環につながる。 実際、日本銀行はインフレ率2%を目標としている。(日銀 金融政策運営の枠組みのもとでの「物価安定の目標」について)

日銀の経済対策と、それが無意味な理由

日銀の金融政策

現在、日銀は量的質的金融緩和をしています。

日銀が金融機関から国債ETF (株の詰め合わせ) を買取り、各社の日銀当座預金を増やす。

そして、貸せるお金を増やすことで、金利を下げ、民間企業による投資を喚起するという政策です。

日本銀行は、1月の金融政策決定会合において、自らの判断で「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという画期的な約束をしました。その達成期限についてですが、諸外国の事例をみると、多くの中央銀行は、金融政策の効果が浸透する期間として2年程度のタイムスパンを考えながら、中期的な物価安定を実現する努力をしています。私は、日本においても、この「2年程度」の期間を念頭に置いて物価安定目標を実現するとコミットすることが適当だと考えました。

なぜ日銀の経済対策が無意味か

(以下は私の考えです)

金融緩和の効果が限定的である理由、それは民間需要がないから (緊縮財政で民間資産が減っている)

需要がないと、いくら金利が低くても企業は投資はしません。

2013年時点で2年程度をメドにインフレ率2%を目指すとしていたが、実際、7年経っても達成できてません。

過去に日本で成功した経済対策

バブル経済の引き金

1986年~1991年にバブル経済と呼ばれる好景気がありました。

理由は、政府の積極財政による需要拡大および、日銀が金利を下げたことによる投資喚起です。

現在の金融政策と比較すると、日銀の政策は同じですが、政府は当時と真逆の緊縮財政です。

(ちなみに、詳しくは書きませんが、バブル崩壊も政策のミスです)

本来、デフレ化では政府が金をばらまくことが必要なのですが、財政法により積極的な国債発行ができません。

そもそも政府の負債は、民間の資産なので、 政府が負債をすべて返済すると、個人や民間企業の銀行預金の総和 (マネーストック) がゼロになります。 政府の借金を増やすことが、民間需要拡大になるのです。

私が考えた最強の景気回復方法

最強の景気回復方法とは 『インフレ率2%になるまで、500円玉を全国民に配り続ける』です。

え、なんでお金を配るの?

デフレの脱却には、需要の喚起が必要です。 そして、お金があれば、需要が拡大します。

日銀の金融政策では、誰かがお金を借りないと意味がないため、 政府から民間に直接、お金を配ることが重要なのです。

1000兆円の借金があるのに、財源どうすんの?

硬貨は国債発行不要で、利益になります

硬貨は政府傘下の造幣局が製造し、政府が日銀に公布(売る)ことで発行されます。 このとき、500円硬貨は500円で売れます。 また、500円硬貨の原価は65円程度なので、435円の利益が出ます。

この利益のことをシニョリッジ (通貨発行益) と言います。

これが国債発行せずに、財源435円を生み出す方法です。

第四条 貨幣の製造及び発行の権能は、政府に属する。 2 財務大臣は、貨幣の製造に関する事務を、独立行政法人造幣局(以下「造幣局」という。)に行わせる。 3 貨幣の発行は、財務大臣の定めるところにより、日本銀行に製造済の貨幣を交付することにより行う。 4 財務大臣造幣局に対し支払う貨幣の製造代金は、貨幣の製造原価等を勘案して算定する。 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律 第四条

ハイパーインフレになるだろ!

ハイパーインフレにならないように発行します。

ハイパーインフレの定義は様々あるのですが、いちばん有名なのがフィリップ・ケーガンによる定義、「インフレーション率が毎月50%を超えること」です。これは1年で物価が約130倍です。

1年間で物価が130倍に上がっているのに、お金発行し続けるなんて愚の骨頂。

1年間で物価が1.02倍になるように、お金を発行するという政策です。

少なくとも、デフレで困っている状況なのでインフレ側になるよう圧力をかけるのは当然です。

例えば、赤字国債の発行分を500円玉発行にすれば、プライマリーバランスの黒字化は1年で達成できます。 その場合、もともと需要があったものを国債から500円玉に置き換えるだけなので、インフレにもデフレにもなりません。

極論すぎるだろ!

はい、そうです。

なぜこの記事を書いたか

経済について思考停止しないで欲しい

私は、景気が悪い原因は下記の2つだと考えています。

  1. 財政法 第四条が間違っている
  2. 国民の金融リテラシーが低すぎる

これは財務省も認めているとおり、日本は原理的に財政破綻しない国です。

nemikeizai.hatenablog.jp

それを知っている国民は何パーセントでしょうか。

もし、財政破綻しないことを知っていれば、考え方も変わるのではないでしょうか。

誰が得して、誰が損するのか、ちゃんと考えて欲しい

積極財政すれば景気が回復するという、そんな当たり前のことは財務省の人は知っています。

政府の予算を決め、逮捕権限のある国税局をもつ財務省は、省庁の中でも一番権力を持っており、マスメディアを動かす力もあります。

デフレは、資産家階級にとっては、物価が下がり、相対的に資産価値が向上します。

デフレで苦しむのは、収入が下がる労働者階級です。

私の記事は、政府の公式サイトから情報を引用していますが、

間違っているかもしれません。自分自身でも調べて欲しいです。

また、政府や日銀を批判する意図はなく、正しい経済政策を採っていただきたいだけです。

私の考えを深めるために、記事に対しての批判よろしくおねがいします。

日本政府、破産リスクは!?

政府支出は (国債ではなく) 税収で賄うべき by 財務省

財務省の公式サイトにある資料を見てみましょう。 (日本の財政関係資料(令和元年10月) : 財務省)

我が国財政は歳出が歳入(税収)を上回る状況が続いています。その差は借金である国債(建設公 債・特例公債)の発行によって賄われています。

なるほど。毎年、国債発行しなければならない状況です、と。

つまり、下記の流れに繋がります。

  1. 借金が増えている
  2. 税収を増やしたい
  3. 法人税は景気に左右されるので消費税引き上げたい
  4. 消費税増税

借金が増えているということは、 いつか、日本はデフォルトするということでしょうか。

それでは、別の財務省の資料を見てみましょう。

デフォルトは考えられない by 財務省

下記は財務省格付け会社3社 (Moody’s、S&P、Fitch) が日本国債の格付けを格下げした際に提出した抗議書類の概要の抜粋です。 (外国格付け会社宛意見書要旨 : 財務省)

米国や日本などの先進国の場合、現地通貨建ての債務不履行は考えられません。

マクロ経済の観点から見ると、日本は世界で最大の貯蓄剰余を抱えています。

上記により、ほとんどの債務を国内で安定して非常に低い金利で調達することができます。

日本は、経常収支の黒字が最も多く、債権者の国が最大で、外貨準備が世界で最大です。

あれれー? 財務省自身がデフォルト (債務不履行) が考えられないって言ってますね。

どういうことでしょうか。

参考:なぜ国債格付け引き下げに抗議したのか

日本国債格付けを引き下げられると国債を買いたがる人が少なくなってしまいます。

買ってもらうために、利回りを上げる必要が出てきます。

そうすると、借金が増えるスピードが早くなるため、抗議したのです。

財務省国債発行したくない理由

財政法第4条第1項を見てみましょう。(注:下記の公債とは国債のこと)

国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。(財政法 抄)

簡単に意訳すれば、公共事業に使うお金以外は税収で賄ってね。ということです。

つまり、財務省国債発行したくないのは、法律でそう定められているから。ですね。

なぜ国債発行が原則禁止されているのでしょうか。

財政法が施行されたのは昭和23年(1948年)7月7日です。戦争が終わって数年後ですね。

戦時中は政府が赤字国債や戦時国債を大量に発行しており、

大量の国債発行が戦争の遂行に寄与した過去を鑑み、原則禁止されています。

当たり前ですが、大量に国債発行するからと言って戦争に発展する訳では有りません。

それについては、これ以上は書きませんが。(正否が決められない話はしません)

次回の記事は、僕が考えた最強の財政健全化方法です。

日本の借金1000兆円で、純負債は583兆円!?

日本の借金1000兆円問題について

『日本の借金1000兆円超えている、このままだといつかは財政破綻するかも』
と、テレビや新聞で報道されているため、念の為事実確認してみましょう。

日本の負債を確認

とりあえず、日本の資産と負債がどれくらいあるか確認してみます。
現在の最新の国の財務状況が下のリンクです。

国の財務書類(平成30年度) : 財務省

 

下図は、上記リンク先の『平成30年度「国の財務書類」のポイント』p.4から抜粋

政府の貸借対照表

政府の貸借対照表

30年度末の負債合計のところに 1,258.0 とありますね。(単位:兆円)

つまり、1258兆円の負債があるということです。

 

日本の負債が1000兆円超えているということは事実ですね。

 

次に、財政破綻するかどうかは、負債だけを考えればよいのでしょうか。

例えば、1億円の借金をして、1億円の土地を購入した人の場合、

負債は1億円ですが、1億円で買った資産もあります。

土地の売却時の価格を、7千万円と仮定すると、

借金の支払いに困ったら、土地を売れば 7千万円になります。

つまり、実質の借金は 3千万ですね。

 

日本の資産を確認

では、日本の資産も見てみましょう。

30年度末資産合計のところに 674.7 とありますね。(単位:兆円)

675兆円の資産があります。

 

つまり、実質負債 (純負債) は、583兆円になります。

(負債1258兆円 - 資産675兆円)

うわぁ、負債多すぎて大変ですね。

 

次回『日本の政府、破産リスクは!?』です。